Käfer und Klee

てんとう虫とクローバー。日々のこと、毎日見つけたあれやこれ。ドイツ、デュッセルドルフ便り。

チャイコフスキーの悲愴

g週末は、デュッセルドルフ交響楽団の定期演奏会へ

行って来ました。

コンサートへ行くまで、少し時間があったので、

新しいメモ帳を買おうと、デパートに寄り道しました。

デパートは、イースターの飾り付けが旺盛でした。

こっちも。

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あっちも。

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イースターまで、もう一ヶ月前近いので、

不思議はないですね。

ドイツでは、イースターはクリスマスと同じぐらい重要な、

国民的行事です。

祝祭日になりますし、

学校も2週間ぐらい休みになります。

(事実上の春休みですね。)

 

デュッセルドルフ交響楽団の定期演奏会は、

毎月行われていて、その都度、

週末から月曜にかけて、三回の公演があります。

(同じプログラムで)

一番安いチケットは、18ユーロからと、大変にお得です!

(学生や障害者の場合、さらに割引があります。)

安い席でも、見渡しも良く、なんの支障もなく

演奏を楽しみことができます。

この日のプログラムは、ロシアもの。

前半は、アラム・ハチャトゥリアンの、

ヴァイオリン協奏曲、ソリストは、

旧ユーゴスラヴィア出身のヴァイオリニスト、

Nemanja Radulovic。

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今、売り出し中の若手演奏家でしょうか?

知らなかったので、今回初めて聴いたのですが、

雰囲気はあるし、なかなかのテクニシャンでした。

見た目から、もう少し狂気に近い演奏を期待しましたが、

定期演奏会の1日目という事もあったのか、

そこまで、入り込んだ感じではなく、安定路線でした。

ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲は初めて聴きましたが、

とても面白い曲でした。

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もう少しはっちゃけたソリストで

もう一度聴いてみたいな〜と思いました。

この日の出し物の本番はしかし、後半でした!

チャイコフスキーの交響曲、第6番。「悲愴」。

この日の指揮者は、Alexandre Bloch。

デュッセルドルフ交響楽団の、

プリンシパルゲストコンダクターです。

(Blochの指揮動画。↓)

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現在、フランス国立リル管弦楽団の常任指揮者のようです。

この、Blochと、現在、常任指揮者の、Adam Fischerが来てから、

定期演奏会のチケットが毎回、売り切れ近いぐらい、

席が埋まるという事でしたが、

今回も実際、ほぼ満席でした。

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(18ユーロの安〜い席からの良い眺め。)

この指揮者、本当に、

オケを思う存分鳴らしてくれる!!!!

指揮者で、こんなにもオーケストラのポテンシャルが

存分に引き出されるのか?!という事が分かっていながらも、

本当に毎回、面白いです。

悲愴といえば、第1楽章にすごく有名なメロディーが

ありますね。

聴いてすぐ、あー、

とわかるメロディーが入っているとお客さんが

特に楽しんでいそうだな〜と思います。

この日の演奏会で面白かったのが、

あまりに勇壮な3楽章のマーチで、

(そしてまた、オーケストラがあまりの大熱演だったために。)

お客さんがフライングを起こして、拍手をしてしまった事です。

3楽章が終わって、ぱちぱちぱちと、結構な数のお客さんが、

勘違いをして、拍手していました。

そして、対象的に暗さの極み、この世の終わりのような4楽章。

解説を読むと、

チャイコフスキーが自らの墓標

と目したのではないかというぐらいの暗さの。。

チャイコフスキーは、この曲を初演後、9日後に、

急死しているのです。

自殺という説も濃厚だと言います。

(悲しみに満ちた4楽章)↓

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とにかく、どん底にたっぷり浸りたかったら、

この曲を聴いたら?というぐらいの濃度です。

これがあまりにも暗いので、

曲が終わった後、

指揮者も、どんっと、落ち込んで全く動かず。

それを見たお客さんが、身じろぎもせず、

見合って見合って、、、、というのが何秒も続いて、

ぱら、、、ぱら、ぱら、、、、、え?!合ってるの、どうなの?

という感じに、3楽章でのわあーーーーっという、勘違いの拍手とは、

対象的に「???」の間が笑えました。

とにかく、でも、「当たり!」のコンサートで、

18ユーロが申し訳ないぐらい、

エネルギーをもらって、元気になって

帰って来ました。( ^ω^ )

こういう、「当たり!」のコンサートは、

正直、10回中、2、3回あれば良い方だと思います。

この日は、行くまで、チケット買ってたのに、

天気が悪すぎて、まったーく、行く気がしな〜い、

あーいやだいやだ〜!と思って行ったので

ギャップも手伝って、

とにかく楽しめました。

ドイツ人はなんでも地元にある「我が町の」◯◯◯

というのを、とても大切にして、

応援して愛する国民だと思います。

(我が町のサッカーチーム然り、我が町のホッケーチーム然り、

我が町のオペラ座然り、我が町の、、、以下延々続く。。。)

そして、なんでも地元でまかなえるシステムになっていて、

それなりの大きさの都市には必ず、

我が町の◯◯◯が揃っており、

とにかく充実しています。

(東京のようなレベルで、

どの都市にも網の目のように

張り巡らされた交通機関も、その象徴。)

「オーケストラ」は、その中の一つ。

公的な基金で賄われており、

団員は公務員の扱いです。

こういったシステムの充実が、

レベルの確かさに繋がっているのかもしれませんね。