Käfer und Klee

てんとう虫とクローバー。日々のこと、毎日見つけたあれやこれ。ドイツ、デュッセルドルフ便り。

ジストニアと鍼治療

今日は、持病についてのお話です。

退屈かもしれないのですが、

少し思うところあって、

今日はここで取り上げて見ることにしました。

(私の持病については、詳しくは、

右の自己紹介のリンクからご覧になれます。)

少し長い話になるかもしれませんので、

お時間がありますようでしたら、

どうぞ、お付き合いください。^_^

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首の震えが起こるようになってから、

かれこれ、10年近く経ちます。

ひどい時には、

まっすぐ前を見ていられないぐらいの

強さで首がぶるぶると痙攣します。

 

1番ひどかった時は、

緊張も何もしていない、

1人で家でリラックスしている時にでも、

症状がありましたが、

基本は、緊張している時(わずかにでも)

症状が出やすいようです。

 

仕事に支障をきたすほどのレベルの時もあり、

実際、自分の仕事の方向性を決めていく上で、

大きな影響がありました。

(結果として行動範囲が狭められた。)

 

最初は、一体自分の身に何が起こっているのか、

把握できず、

まず、認めたくない気持ちが強かったこともあり、

正しい病名に行き着くまで、やたらと時間がかかり、

4年ほど前にやっと、神経科に辿り着き、

「フォーカル・ジストニア」と、

診断されました。

square.umin.ac.jp

この時の主治医に、処方された薬が、

Nitomanという薬で、

テトラベナジンが主成分の薬でした。

この薬の副作用が読んでみると結構恐ろしい。

日本にも、同じ成分の薬があったので、

コピーしてみますとこんな感じ。

**********

主な副作用として、傾眠、便秘、パーキンソニズム(動作が鈍い、手足のふるえなど)、うつ病、アカシジア(じっとしていることができないなど)、不眠症、睡眠障害、発疹、かゆみなどが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

え?!

震えを抑える薬飲んでいるのに、震えが出ると?

ほかに、うつ病っていうのもびっくりしますよね。

そして、さらにホラーな事が書いてあります。

*****************

まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
  • 何事にも興味がなくなる、気分が落ち込む、死んでしまいたくなる[うつ病・うつ状態、自殺念慮、自殺企図]
  • 急激な発熱(37.5℃以上)、身体のこわばり、物が飲み込みにくい[悪性症候群]

「死んでしまいたくなる」ですって!?

 

これ、副作用に神経質な人なら、

まず、飲むのをためらうような内容ですよね。😅

 

私の場合、長年、この病気に苦しめられて、

やっと、病名がわかった嬉しさから、

それどころではなかったので、

割と大した勇気を持つこともなく、

素直に試してみた感じでした。

あとで分かったことですが、

脳に作用する薬なので、

いづれにしてもこのような副作用が出る可能性が

あると言うことでした。

 

さて、私の場合、この薬の副作用は、

「眠気」として出てきました。

怖い副作用がオンパレードな中、

まずまず穏便な方の内容ではあったのですね。

先生に処方された薬の飲み方で飲んでいくと、

1日の活動がままならないほどの眠気が襲って来ました。

やるべきことをなんとかこなしたら、

ベットに倒れこむ、というような調子でした。

その代わり、震えの方は大分治るようだったので、

薬の量を減らして、

そのまま服用していこうということになったわけです。

本来、一錠飲むべきところを、

半錠だけ飲んで、というのを3年間に渡って続けました。

 

この間、この主治医のところへ、

定期的に通い、

病状について質問をされたら、

「症状は大分抑えられてはいるけれど、

半錠でもじわっとした眠気が常に

通奏低音のようにあり、薬の効き方も完璧ではない」

と答えて来たのですが、

特に薬を変えようという事もなく、

歳月が流れていきました。

 

その間、

いつも何となく少しだるい状況で、

しかも、体調がすぐれない時には、

薬を飲んでいるのに震えが出るといった調子が

続いていたわけです。

 

そうこうしているうちに、

(昨年です。)主治医がベルリンへ移住することになり、

同じ院内で、先生を変えることになりました。

 

良いチャンスだと思ったので、新しく変わったドクターに

薬を変えたいと相談してみると、

怪訝な顔をされ、

「そもそも、ジストニアの薬としては、

Nitomanがベストだと思うけれど、

どうして変えたいの?」

と言われ、理由を説明すると、

「そういうことなら、ボトックス注射を勧めるわ。」

と、首に直接ボツリヌスを打つ注射について

勧められました。

これ、のちに改めて大学病院へ行った時も勧められたので、

ジストニアの治療としては、一般的な処方のようです。

それでも、どうしても首に直接注射を打つ、

しかも、ボツリヌス菌を入れる、というイメージが怖くて、

避けられるものなら、何としてでも避けたい!!と思いまして。

そこで、できれば他の薬を試してみたいのだけれど、

あるのかどうか聞いてみたら、一応ある、ということで、

Parkopanという薬を試してみることに。

 

しかし、結果、この薬は惨敗。

飲んでから、しばらくして

とてつもなくナーバスになり、

震えも酷くなってしまうぐらいだったので、

即刻取りやめました。

 

院内で代わった新しい先生は、感じが悪かったので

色々考えて、病院を変えることに。

 

しかし、これが意外と簡単ではありませんでした。

ジストニアという病気、

専門の先生がどこにでもいるというわけではない、

珍しい病気に入るそうで。

結局、新しく行った別の病院で、専門医がいないので、

大学病院へ行くことを勧められました。

これ、行ったのですが、その話は後で付け足すことにして。

今日の本題にようやく、入ることができます。^_^;

あー長い前置きでした。すみません。

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この、新しく代わった神経科の病院には、

ジストニアの専門医がいなかったのですが、

鍼治療を推奨しており、この院内にも、

鍼の先生がいるということでした。

 

ここからのアイデアで、鍼を試してみようか?と

ふと思い立ったわけです。

インターネットで調べてみると、

日本でもジストニアの治療を行なっている

鍼灸院というのも存在していることを確認できました。

ダメ元で相談してみたら、

鍼の先生がどうぞ、と言ってくれました!

 

これ、今年の5月のことなのですが、

この時期、実は震えの症状が悪化していました。

昨年の秋に、4年間つきあった彼氏と別れてから、

精神が著しく不安定になり、

けっこうやばい状況になっていたのです。

彼といた時は、やはりとてもリラックスできていて、

症状も自然と減っていた部分も大きかったみたい。

なので、

スタート時の状況はかなり最悪のレベルだったと思います。

溺れる者は藁にもすがる、みたいな。

 

自分を救おう運動!!の一環で、

この時期に、フィットネスクラブに入会して、

定期的な運動もスタートしました。

(これも、現在の良い状況に役立ってる原因の1つでも

あるかもしれません。)

 

で、いきなり結論から言いますと、今、実は

薬を一切、やめています!!!!

 

本当に最近の話なのですが、

一時帰国している時のこと、

母が、到着三日目ぐらいに、

私の薬を間違って捨ててしまったのですよ。。。。😅

その時は、かなりギョッとしたし、

母に腹を立てましたが、

これで、強制的に1ヶ月弱、薬なしで過ごさねばならない

実験的な状況が訪れたわけです。

 

実は、ここに至るまでに、

5月から定期的な運動と鍼を続けて来て、

かなり、症状が改善されていました。

薬、やめても良いかもな〜とうっすら思わないことも

なかったのですが、

3年間飲み続けて来たものを今更、

そう簡単にやめれるというものでもなく。

 

そして、タイミング、という運命的な状況が

揃ったということもありました。

(大げさかもしれませんが。)

 

先ほども少し話しましたが、

今年の4月ごろ、大学病院を訪れました。

この時、薬を新しく処方してくれないか、打診してみたところ、

(ここでも、Nitomanは、今のところベストな薬であり、

薬が無理なようであれば、ボトックス注射はどうか?と

勧められた。)

一旦、考えてくれて、可能性がないわけはない、

ということで、ある薬を処方してくれました。

デュッセルドルフの大学病院はとにかく混んでいて、

予約は3ヶ月ほど待ったし、

この薬を処方する指示が、

行きつけの院まで(専門家がいない新しく代わった先の院)

届くまでさらに、たっぷり3ヶ月ほどかかったわけです。

結局、日本へ発つ前日にこの手紙が届き、

薬を変えるのを試す前に、休暇となってしまったので、

そこから今に至るというタイミングでした。

 

もちろん、その薬を試して、万々歳だったという

可能性もなきにしもあらずだとは思います。

でも、

薬なしに過ごせる方が、さらに健康的ですよね!

 

半信半疑で、効くとは思わず、

試しに始めてみた鍼の威力に驚くばかりです。

 

ジストニアで苦しんでいて、

治療がうまくいっていない人のために、

もしかしてヒントとして、

何か役に立つこともあるかもしれないという気持ちから、

少し細部にわたり、この記事を書いてみることにしました。

 

鍼の先生たちによれば、

(日本でも含め、何人かの先生にお世話になった)

ジストニアの源である、脳神経に直接アクセスはできないけれど、

症状を弱めることのできるヒントが、

鍼治療にはある、という事でした。

 

寒くなると、

症状が悪化する傾向があるような気がするので、

1年間経ってみないと、

薬なしでこのままずっと大丈夫かはまだ

はっきりはしていないのですが。。。

 

ちなみに、鍼は心の健康にも効きます。

うつ病や、不安症の人も、

ぜひ、鍼を試してみてください。

ほんの小さなステップで、自分を助けることができますよ。

 

余談ですが、自分にとってのテトラベナジンの副作用は、

眠気だけだと信じて来たのですが、

薬をやめてみて、

うつの傾向もあったかもしれない、と

今になってから思います。

卵の皮を剥いたように、

本当につるっと元気になりましたから!

 

ということで、今日は長いお話におつきあい

ありがとうございました。