Käfer und Klee

てんとう虫とクローバー。日々のこと、毎日見つけたあれやこれ。ドイツ、デュッセルドルフ便り。

延期になったKlavierfestival Ruhr(ルールピアノフェスティバル)

数日前、

Klavierfestival Ruhrの一環のコンサート、

北欧のピアニスト、オリ・ムストネンを

聴きに行って来ました。


Klavierfestival Ruhrは、

1988年からの歴史があり、

世界中から第一線で活躍するピアニストたちが、

毎年、一斉にこのルール地方

(デュッセルドルフは、ルール地方というと、

入ったり入らなかったりしますが、

この場合、一応、会場の一つになっています。)

に集うという、

世界のピアノファンにとっては、夢のような祭典です。

 

フェスティバルの期間は、毎年、

5月から、7月ぐらいまで。

(催し物によっては、この期間外に

行われるコンサートもあります。)

 

このフェスティバルの最大の魅力は、

なんと言っても、

チケット代金が格安、というところでしょう。

 

プログラムも普通のコンサートなら、

別売ということが良くあるのですが、

自治体の支援があるからか、

無料で配布されます。

 

毎年、80ほどのコンサートが

ルール地方の大小の都市で催され、

60000人ほどの観客が

このフェスティバルに訪れるそうです。

 

ドイツは、クラスター感染が出ていたりして、

コロナを完全に抑え込んでいるとは

とても言えない状況だと思うのですが、

主催者の工夫によって、

このようなコンサートも現在、

少しずつ、実現化している状況です。

 

Klavierfestival Ruhrは、

催しによっては、中止もあると思いますが、

多くが秋に延期、又は同じ日程でも、

コロナ対応で人数制限などの工夫で

実現しています。

 

今回のコンサート会場は、

Duisburgという街にある、

(デュッセルドルフの隣町)

Gebläsehalle というホールでした。

 

このホールがある、Landschaftspark Nordという公園、

知る人ぞ知る?有名な公園のようでした。

ja.wikipedia.org

イギリスの新聞で、世界の10の公園の一つに

選ばれたとのこと。

旧工場を利用して作られた、

この、コンサートホールもなかなか、

未来的な雰囲気が面白い魅力的な場所です。

 

コンサートホールに着くと、

中庭のようなところに、

軽く、飲み物が飲めるようなスタンドがあり、

ビールの販売などが行われていました。

 

わたしと、同行した友人は、

ここへ来る前に食事して来た事もあり、

(ビールを飲むと眠くなるし)

飲み物などを買わず、コンサート会場に直行。

 

会場へ入る前に、消毒をする必要がありました。

チケットを見せたら、

自分で買ったかどうかを尋ねられました。

もし、招待客などであれば、

住所、電話番号等を記入の義務があったようです。

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ご覧の通り、会場では、

2人ずつの椅子が、かなりの間隔で

置かれていました。

マスクは、入場時には必須との事

だったのですが、

ありがたい事に、

コンサートが始まってからの主催者の挨拶で、

演奏を鑑賞中は、着用の必要なし、

という事で、非常にホッとしました。

 

というのも、この日の気温は30度だったため、

空調は入っていたとはいえ、

演奏会中、ずっとつけている必要が

あったら、

本当に苦しかっただろうなと思うので。。

 

予想通り、誰も、演奏中にマスクを

つけている人はいませんでした。

 

この日のプログラムは、オール・ベートーベン。

前半は、ヴァリエーションのみ。

後半はヴァリエーションと、

ソナタ、Waldsteinでした。

ヴァリエーションで、よく知っていたのは、

Op.34 6つのヴァリエーションでした。

この曲は、

高校の時にあるコンクールの課題だったため、

同級生がみんなこれを弾いていて、

ものすごく耳に残っていたので。😅

 

オリ・ムストネン。

面白い、、、、ユニークな、非常に個性的な

ピアニストでしたよ。

前知識なしに行ったもので、

度肝を抜かれる?というんですか。

聴く前には、軽く眠気があったのですが、

それを吹っ飛ばすかのような、

インパクトのある演奏でした。

 

こういう言い方をして良いのか分かりませんが、

ピアニストらしからぬ、

ピアノ語法を覆すような?

弾き方をほぼ

全般にわたって繰り広げていました。

 

そのかわり、とても豊かな響きがあって、

なんというか、

楽器全体が立体的に鳴り響き、

まるでオーケストラのように

聴こえると、何度も思いました。

 

普通の伝統的な演奏を

期待して行ったら、

非常に戸惑う内容とも言えるかも。

 

ここで、レガートよね。と思う場所で、

ばっつんとフレーズを切ってしまったり、

予期せぬところに、

アクセントががつんと効いていたり。

 

彼にとって、立体的ということが、

フレーズを犠牲にしても、

優先されるべきことで、

音楽の息の根を止めないこと、

新鮮に息吹を与え続けるということが、

何よりの命題である、というように

感じました。

 

全く新しい観点から、ベートーベンに出会うことができて、

非常に面白い夕べだったと思います。

 

演奏会の後、判明した事は、

ムストネンが、指揮者であり、作曲家

としても活動しているという事です。

さもありなん、と深く納得致しました。

 

コロナの影響で、アーティストも大変。

 

この日のコンサート、

実は観客の数を削ったため、

2回に分けて行われました。

 

17時半からと、私たちが訪れた、

20時半から。

一回のコンサートにて、休憩はゼロ。

合間に一旦、舞台から拍手を受けて、

後方へ引っ込みはしましたが、

ほぼ、間断なく後半がそのまま始まりました。

アーティストはこの場合、多めのギャラをもらえるのでしょうか?

そうだったら良いなと願いますが。。。

 

コロナの影響で、コンサートにも、スポーツにも、

美術館、映画館など、

すべての文化的な活動が制限されて来て、

本当に窮屈な思いをして来たと思います。

 

今回、演奏会を久々に訪れて、

やはり生活の一部であり、

日々の糧であると再認識しました。

 

日本でも多くのコンサートや催事が、

未だに元どおりには行われていないのが、

現状だと思います。

一日も早く、普通に近い文化活動が戻ってくるのを

祈るばかりです。

 

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとう!!

次回更新は、

週の半ばを予定します。

良かったら、また、見に来てくださいね!👋🏻👋🏻👋🏻👋🏻